手術について

当院では2室のバイオクリーン手術室を設置し、緊急開心術(心臓血管手術)にも24時間体制で対応しています。

  • 冠動脈バイパス術 CABG(coronary arterial bypass grafting)

    冠動脈バイパス術は狭くなった冠動脈の先に新しい血管(バイパス)をつないで、新たな血液の流れをつくる手術です。狭心症、心筋梗塞の方に行いますが、主に3枝病変(大きく分けて3本ある冠動脈の全てに狭いところがある)や左主幹部病変(左冠動脈のねもとが狭い)、カテーテル治療で再発を繰り返す場合、カテーテル治療が難しい場合に対して行います。全身麻酔で行い、入院は平均約2週間です。当院では、より長持ちする動脈グラフトで平均3本以上のバイパスを行っています。カテーテル治療に比べて再発が少なく、一度に治せるのが利点です。

  • 心拍動下冠動脈バイパス術(off-pump CABG)

    心臓を止めずに動かしたまま冠動脈バイパス手術を行います。技術的には難易度が高いですが、心臓を止めず手術できるため人工心肺装置を使用しません。このため患者さんに負担や、脳梗塞などの合併症の危険が少なく、術後の回復が早い等の利点があります。当院では冠動脈バイパス術の約80%をこの方法で行っています。心臓の動きが極度に低下している場合や弁膜症に対する手術を同時に行う場合は人工心肺装置を使用した方法となります。

  • 弁形成術

    患者さんの壊れた弁を修繕する手術です。主に僧帽閉鎖不全症、三尖弁閉鎖不全症に行います。人工弁を使わないため術後ワーファリン(抗凝固薬)の服用が不要です。

  • 弁置換術

    壊れた弁を人工弁に取り替える手術です。(削除:人工弁置換術があります。)人工弁には、機械弁と生体弁があり、術前の患者さんの状態、疾患の種類、年齢等によって選択します。主に大動脈弁狭窄症、閉鎖不全症または僧帽弁狭窄症、閉鎖不全症に行います。

  • 大動脈瘤人工血管置換手術

    破裂する危険がある動脈瘤を人工血管にとりかえる手術です。体型や動脈瘤のかたち、拡大傾向などにもよりますが、胸部大動脈瘤では直径5〜6cm以上、腹部大動脈瘤では直径4〜5cm以上が適応となります。動脈瘤の破裂または切迫破裂、または解離性大動脈瘤(大動脈解離)の場合、緊急手術が必要になることがあります。

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ステントグラフト内挿術

  • 大動脈瘤・大動脈解離とは

    大動脈瘤または大動脈解離は動脈壁の弱くなっている部分に発生します。動脈壁の弱くなっている部分が血流によって圧力を加えられると外側に向けて膨らんだり、壁の一部が裂けたりします。大動脈瘤または大動脈解離を治療しないで放置すると、破裂して内出血を起こす危険性があります。
    大動脈瘤の主な原因は、動脈壁をもろくする動脈硬化と高血圧です。そのほか遺伝性疾患、感染症に伴うものなどがあります。

  • 胸部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術

    これまで当院では、胸部大動脈瘤(解離性も含む)の直径が6センチメートル以上ある場合には外科手術を行ってきました。胸部大動脈瘤の外科手術は低体温下に人工心肺を用いて行うために侵襲が大きく、その死亡率は一般的に5〜15%ですが、破裂後の手術中の死亡率は約50%です。胸部大動脈瘤の破裂は治療しなければほぼ全ての患者さんが死亡します。このような危険の高い胸部大動脈瘤に対して、動脈瘤の発生部位や形態によっては、体に負担の少ないカテーテルによって人工血管を動脈瘤のなかに留置する方法(ステントグラフト内挿術)が行われるようになってきました。現在この治療法による死亡率は1〜5%と報告されており、外科手術より安全であるといえます。

  • 腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術

    腹部大動脈瘤の直径が5センチメートル以上ある場合は外科手術を行ってきました。腹部大動脈瘤の外科手術は一般的には全身麻酔で開腹して行う必要があります。術後の疼痛も強く、腸の動きが一時的に悪くなってしまうために食事もすぐには摂れません。このため高齢者や心疾患、呼吸器疾患で全身麻酔のリスクの高い方や体力が十分でない方などには負担の大きい手術でした。このようなケースに対して、動脈瘤の発生部位や形態によっては、体に負担の少ないカテーテルによって人工血管を動脈瘤のなかに留置する方法(ステントグラフト内挿術)が行われるようになってきました。

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カテーテル治療(経皮的冠動脈形成術)について

狭心症、心筋梗塞の治療のひとつです。約2.0mmの細く、やわらかい管(カテーテル)を手首の動脈または、足の付け根の動脈から心臓に栄養を送る血管(冠動脈)まで入れて、狭いところ、つまったところをひろげる治療です。局所麻酔で行い、皮膚を切らずに行えるのが利点です。また緊急以外であれば一泊二日の入院で施行しています。当院では緊急にも24時間体制で対応し、年間約200例を施行しています。

カテーテル治療の分類
1)風船治療 先端に風船の付いたカテーテルで冠動脈をひろげる基本的な治療法です。冠動脈の細い部分から太い部分まで幅広く使用できますが、再発(再狭窄)が約20〜40%と高いのが問題となります。
2)ステント留置

金属製の網目状の筒を冠動脈の狭い部分に留置し、ひろげる方法です。再発が約10〜30%まで低下します。また最近では、再狭窄を予防する薬がステント表面に塗ってある薬剤ステントも使用しています。再狭窄は約5〜10%といわれ当院でも採用しています。術後、血の塊ができないようにアスピリン(バイアスピリン)、チクロピジン(パナルジン)を飲む必要があります。

3)ロータブレーター

先端にダイアモンドの粉が付いたドリルを高速回転させて、狭く硬くなった冠動脈の血管壁を削ってひろげる治療です。やや特殊な治療なため、施行するには該当施設での年間カテーテル治療数および、冠動脈バイパス術数による施設基準がありますが、当院ではその使用が認められています。

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CRT-D(心臓再同期療法)について

心臓再同期療法はCardiac Resynchronization Therapyと言い、一般的には「CRT」と呼ばれます。
心臓は電気刺激が伝わることで収縮しますが、心不全の場合は電気刺激の伝達異常により心臓全体の収縮のタイミングがずれてポンプとしての機能が十分に行われていません。心臓の左右から電気刺激することでこのタイミングのずれを修正し、本来の心臓の働きを戻し、症状を改善する方法です。

  • CRT-Dとは

    Dとは、Defibrillatorで除細動器のことです。
    心室性頻拍症(VT)や心室細動(VF)といった突然死の原因となる不整脈が出現したときに自動的に電気ショックによる治療を行ってくれる植込み型除細動器(ICD)という機器があります。この「ICD」と前述した「CRT」の機能を合わせ持ったものが「CRT−D」です。

  • CRT-Dが必要な患者さん

    • ・心臓の電気信号の伝達が悪い
    • ・心臓のポンプ機能が低下している
    • ・心室頻拍や心室細動などの致死性不整脈の既往、もしくはその発症の可能性が高い
    • ・その他専門医が適切と判断した場合

    すべての患者さんに有効とは限らないので、医師と相談の上、決定します。

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カテーテルアブレーション(高周波カテーテル心筋焼灼術)-RFCA

  • カテーテルアブレーションとは

    当院では、不整脈に対して有効なカテーテル治療であるカテーテルアブレーション(心筋焼灼術)を行っています。
    70年代から始まった狭心症、心筋梗塞に対するカテーテル治療は医療器具や技術の進歩に伴い急速に普及し、今や心臓病の検査・治療になくてはならない存在となっています。
    一方で不整脈に対するカテーテル治療もやや遅れて、80年代より心筋焼灼術が行われるようになりました。当初は全身麻酔を行い、心臓を露出させた上で直接的に治療を行う必要がありました。90年代からは局所麻酔下でのカテーテル治療が普及し、多くの病院で行われるようになっています。
    カテーテル治療の初期には不整脈のメカニズム解明に重点が置かれ治療法も完全に確立されたものではありませんでした。現在では不整脈のメカニズムの大部分が解明され、治療法も確立されています。治療に使用するカテーテルの技術的進歩もあり安全性の高い治療法となり、不整脈治療の第一選択として考えるべき治療となっています。

  • カテーテルアブレーションによるメリット

    不整脈には様々な種類があり、全ての不整脈に対してカテーテル治療が有効なわけではありません。しかしカテーテル検査を行うことで適切な薬物治療の検討、ペースメーカー手術の必要性の判定などが可能であり不整脈の治療戦略上、重要な役割を持っています。
    特に発作性上室性頻拍症(PSVT)と呼ばれる不整脈に対する治療は根治術が可能であり、カテーテル治療後は内服薬や通院が不要となります。
    不整脈は心臓病でありながら多くは生命を脅かすものではありません。そのため治療を行うかどうかは患者さんの自覚症状に重点が置かれます。不整脈に対しては内服治療という選択肢もあり、外来で相談の上で治療法を決定いたします。

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